「男は狩人」は幻想
「男は狩りを好む生き物」とか、「狩りは男の役割」という考え方を聞くことがありますが、これらの考え方は、事実ではない幻想であることが人類学や考古学の研究によって示されています。
実際には、小型の小動物のみならず、大型の動物の狩りにも女性が出ていました。
最近は日本語で読めるよい記事がたくさんありますので、よければリンクをたどってください。
「男性は狩猟、女性は採集」は幻想?最新の考古学研究が過去の多様性を明らかに
英語で読める方は、Science Advancesの記事もよいでしょう。
https://www.science.org/content/article/worldwide-survey-kills-myth-man-hunter
ちなみに、「男は狩人」という幻想は、1960年代などに学術的にも発表されてきたものでした。研究者のジェンダー・バイアスが研究に反映する例でもあります。また、「男な狩人」という見方に対して、事実と異なるという反論もありました。しかし反論のほうはあまり受け入れられてきませんでした。この理由としては研究者コミュニティのジェンダー・バイアスや、一般社会のジェンダー・バイアスの影響もあったのでしょう。
「男な狩人」幻想が反映した書籍としてはRichard Borshay Lee (著)による、Man the Hunterが代表的です。
https://www.amazon.co.jp/Man-Hunter-Richard-Borshay-Lee/dp/020233032X
現代になって、狩人の性の多様性が主張されているのもまたジェンダー平等な見方が広がったという時代の反映かもしれません。