時間的展望の古典
こちらが「時間的展望」の古典。
- Lewin, K. (1951). Field theory and social science. selected theoretical papers. New York: Harper. (Lewin, K.(猪股佐登留, 訳) (1979). 社会科学 における場の理論 誠信書房)
- 原著はPDFで公開されている。https://ia802905.us.archive.org/4/items/in.ernet.dli.2015.138989/2015.138989.Field-Theory-In-Social-Science-Selected-Theoretical-Oaoers.pdf
- 翻訳は復刻版が出ているようでありがたい。
「日記」を研究する
日記は人や社会の考えを知る上で貴重な資料となりうる。
ただし、人が自分のためにつけている日記をそのまま他人が入手することは容易ではなく、かなりの準備や工夫によって改善される。調査として日記を書くように要請し、必要に応じて面接をおこない日記データを入手する方法がある。書いてもらう日記も、必要最低限の条件を提示する方法もあれば、書き方や書く内容(構造化)、分量を指定して書いてもらう方法もある。日記に書かれたものは研究者が求めているものになるとは限らず、日記の書き方に関するトレーニング期間が必要な場合もある。
日記によって、日々の微細な気持ちの変化や、対面では人に言いにくいことを読み取ることも可能である。インタビューでは特定のことを思い出してもらう形になるので、イベントが生じた直後や毎日日記をつけるように指示された日記であれば、微細な気持ちをとらえることが可能である。
方法論に関する書籍としては下記を参照。
東アジアの少子化
東アジアの国・地域の合計特殊出生率
日本でも少子化が進んでいますが、東アジアの国・地域でも進んでいます。
韓国の例
韓国の合計特殊出生率は2022年に0.78(2022年の合計特殊出生率0.78の背景(韓国) | 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報 - ジェトロ)で、日本の感覚からするとかなり低く感じる。ちなみに東京の合計特殊出生率が2023年で1.04、そのなかでも低い板橋区で0.92(人口動態統計年報(確定数)|東京都)。
「男は狩人」は幻想
「男は狩りを好む生き物」とか、「狩りは男の役割」という考え方を聞くことがありますが、これらの考え方は、事実ではない幻想であることが人類学や考古学の研究によって示されています。
実際には、小型の小動物のみならず、大型の動物の狩りにも女性が出ていました。
最近は日本語で読めるよい記事がたくさんありますので、よければリンクをたどってください。
「男性は狩猟、女性は採集」は幻想?最新の考古学研究が過去の多様性を明らかに
英語で読める方は、Science Advancesの記事もよいでしょう。
https://www.science.org/content/article/worldwide-survey-kills-myth-man-hunter
ちなみに、「男は狩人」という幻想は、1960年代などに学術的にも発表されてきたものでした。研究者のジェンダー・バイアスが研究に反映する例でもあります。また、「男な狩人」という見方に対して、事実と異なるという反論もありました。しかし反論のほうはあまり受け入れられてきませんでした。この理由としては研究者コミュニティのジェンダー・バイアスや、一般社会のジェンダー・バイアスの影響もあったのでしょう。
「男な狩人」幻想が反映した書籍としてはRichard Borshay Lee (著)による、Man the Hunterが代表的です。
https://www.amazon.co.jp/Man-Hunter-Richard-Borshay-Lee/dp/020233032X
現代になって、狩人の性の多様性が主張されているのもまたジェンダー平等な見方が広がったという時代の反映かもしれません。